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女性とは切っても切れない栄養素!○○のおはなし/カイロプラクター北川直樹

妊娠を経験したことのある女性であれば必ず一度は耳にしている「葉酸」という栄養素。

葉酸はおなかの中の赤ちゃんの発育にとても大事な栄養素で、不足すると細胞分裂がうまくいかなくなり、十分な発育ができなくなってしまいます。
もちろん、赤ちゃんだけでなく私たちが健康に生きる上でもなくてはならない重要な栄養素です!
だから妊娠中はお母さんと赤ちゃんの2人分の葉酸を摂らなければなりません。

妊娠中の推奨量は通常の240μgにプラス240μgされた480μg(妊娠初期はプラス400μg)にものぼるため、十分な量の葉酸を摂取できるように葉酸を添加した強化食品や葉酸サプリが積極的にすすめられているわけです。

今回はこの大事な栄養素「葉酸」について、最近解ってきたことなども含めて一緒に見ていきましょう。

あなたがこれからも健康に生きたい、または妊娠を考えているのであればとても大事なお話になります。
そしてあなたの娘さんなど、今後妊娠をする可能性のある方が周りにいるのであればぜひ教えてあげてください。

1.赤ちゃんの発育と葉酸

葉酸はビタミンB9と呼ばれる水溶性ビタミンです。代表的なはたらきは赤血球を造ること。
そのため葉酸が不足した場合に起きる症状としてよく知られているのが貧血です。

ほかの大事なはたらきにDNA(遺伝子)の合成、細胞分裂の促進があります。
お医者さんが妊婦さんに葉酸を多く摂取するようすすめているのは、葉酸が不足するとDNAの合成や細胞分裂に支障がでてしまい、赤ちゃんの神経管閉鎖不全や無脳症といったいわゆる奇形の発生確率が上がるからです。

そこで救世主的に登場するのが葉酸サプリや葉酸を添加した強化食品!……なのですが、ちょっと待ってください。
食品に含まれている天然葉酸は吸収率が低いので、ほとんどの場合は吸収率を高くした合成葉酸が使われているのです。

2.葉酸の加工と遺伝子変異

「吸収率が高いならいいじゃないか」と思うかもしれません。
ですがこの合成葉酸、残念ながら吸収されてもそのままの形では使えないので、体内で使える形に加工する必要があります。
そのため体内でいろんな物質を消費しながら多くの化学変化を起こしつつ、最終的に活性型のメチル葉酸になることでようやく体内で使える形になります。

問題なのは日本人のおよそ7割が合成葉酸からメチル葉酸を造るための遺伝子に遺伝子変異を持っていて、合成葉酸を加工するのが苦手ということです。
血液検査で葉酸値を測ったことがある方がいるかもしれませんが、あなたが葉酸を合成葉酸で摂取していたのであればその葉酸値は全くアテにならないのです。
それどころか、うまく加工できず体内に増えた合成葉酸はメチル葉酸のはたらきをブロックしてしまうため、これでは何のために葉酸を積極的に摂っていたのかわかりません。

さて、ここまで読まれて「もう私には関係なさそう」と思われた方もいるのではないでしょうか?
とんでもありません、この問題はなにも赤ちゃんにだけ当てはまるわけではないのです。

3.病気の発症と葉酸

というのも、私たちの体の中には健康に生きるために必要な物質を作り出し、また不要な物質を処理する代謝経路がとてもたくさん存在しています。
その中で最も重要なものの1つに、物質をメチル化する「メチレーション回路」というものがあります。
そしてこの回路を回すカギとなる物質がまさに!今回のお題「葉酸」なのです。

メチレーション回路は私たちの持っている遺伝子がどのようにはたらくか?といったことさえコントロールしてしまう重要な回路です。

近年では科学的な技術が進み、遺伝子情報すら解析できるようになりました。
そして私は糖尿病やがん、脳卒中の家系だとか、この遺伝子を受け継いでいると糖尿病になりやすい、がんになりやすい、脳卒中になりやすいといった話をよく耳にするようになりました。

原因遺伝子、関連遺伝子などと呼ばれ、あたかも親から受け継いだ遺伝子が悪いかのごとく言われていますが、実はそうではありません。
その遺伝子がどのようにはたらくのか? ということが問題なのです。
要は遺伝子が「病気を発症します」というはたらきをすれば病気を発症し、「発症しません」というはたらきをすれば病気にならないわけです。
原因遺伝子を受け継いでいても発病する人としない人がいるのはこういうことです。
メチレーション回路によって遺伝子が適切にメチル化されていれば、多くの病気を防ぐことができます。
遺伝子がどのようにはたらくのかを決めているのがメチレーション回路、そしてメチレーション回路は葉酸がカギとなって回っているので、使える形(活性型)の葉酸を十分に用意する必要がある、というわけです。

4.合成葉酸と天然葉酸、活性型葉酸の見分け方

全ての栄養素が食事から摂れることが理想ということは言うまでもないことですが、それでも足りない分、特に遺伝子変異で合成葉酸を利用しにくい人についてはサプリメントなどで補う場合があります。葉酸サプリを買うときに裏面の成分表を確認してください。どの葉酸が使われているのかある程度見分けることができます。

葉酸(Folic acid)と書いてあればまず間違いなく合成葉酸で、安いサプリメントはほぼこれです。
葉酸(Folate)と書いてあれば天然葉酸、活性型葉酸にはいくつか種類がありますが、代表的なものは5-MTHF(5-Methyltetrahydrofolate:5-メチルテトラヒドロ葉酸)というメチル葉酸です。
赤ちゃんのために、または自分の健康のために葉酸のサプリメントを考えている方は、購入時にチェックするようにしましょう!

いかがでしたでしょうか?
遺伝子変異とかメチレーション回路とか少し小難しい言葉も出てきましたが、葉酸は赤ちゃんをはじめ私たち人間が健康に生きる上でとてつもなく重要な栄養素であることはなんとなくご理解いただけたと思います。
そして良かれと思って合成葉酸を摂取することが、逆に体の回路がうまく回らなくなり不調や病気に繋がる可能性があると考えると怖いですよね。
今の科学、医学でもまだまだ人体のことは解明しきれていないことだらけです。これからも日々明らかになってくる情報をみなさんにお伝えしていきます!

この記事を書いたのは…↓↓↓

《名前》
北川直樹 D.C.Sc(きたがわ なおき)

《出身校・専攻》
CCEA(大洋州カイロプラクティック教育審議会)国際認証校
東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(TCC)
(旧 豪州ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)日本校)(D.C.Sc.Program)優等修了

《学位・称号・資格》
Diplomate of Chiropractic Science(D.C.Sc.)
カイロプラクティック科学専門家

《国際公認試験》
NBCE支援 IBCE協力 JCR主催 第十二回カイロプラクティック統一試験 SPEC臨床能力判定試験 合格(国際公認試験)

《所属団体》
世界保健機関(WHO)加盟
世界カイロプラクティック連合(WFC)日本代表団体
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員

《メッセージ》
WHO(国際)基準カイロプラクターの北川 直樹です。世界的には医師と同様、ドクターとして認知されているカイロプラクティックですが、残念ながら日本の実情はそれとはかけ離れています。国内に約30,000人いると言われているカイロプラクターの中でも、WHO(世界保健機関)が出しているカイロプラクティック教育の世界水準を満たしたカイロプラクターは、わずか3%しかいません。私はみなさんに世界で行われているカイロプラクティックを提供することで、人生を健康に生きていただきたいと思います。
カイロプラクティックは形や構造といった物理的な問題以上に、本質的にはそれらの働きといった「機能的な問題」に着目しています。症状を治すためにも健康を保つためにも、この機能的な問題を取り除いて体が正常に働けるようになることが重要になってきます。特にどこに行っても良くならない、原因が解らない、何をやっても良くならないという方は、これを機に一度「機能的な問題」に目を向ける必要があるかもしれません。そのときはきっと、WHO(国際)基準のカイロプラクティックが役に立つことでしょう。

北川 直樹

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